なぜサンマは獲れなくなったのか
2026.10.17
秋の味覚のサンマは、1950年代後半には年に50万t以上獲れた年もあり、2000年代も20万〜30万t前後で推移していました。ところが2010年代に入ると急に減り、2022年の全国の漁獲量は1.8万tと、1956年からの統計で最も少なくなりました。
漁獲量の移り変わり
2008年の35.5万tから、2019年には4.6万tまで減りました。2024年は3.9万t、2025年は6.5万t(概数値)と持ち直していますが、2000年代と比べるとまだ数分の1です。
豊漁 やや豊漁 平年並み やや不漁 不漁 判定なし 平年(直近5年平均)
減った理由として考えられていること
農林水産省と水産研究・教育機構は、主な理由を次のように説明しています。
- 分布が沖合に移った:2010年に、サンマの分布が突然沖合へ移ったことがきっかけと考えられています。その後も海の環境や餌の環境の変化で、沖合への移動と資源の減少が進みました。
- 親潮が弱まり、近海の水温が上がった:冷たい親潮が弱まり、道東や三陸沖の水温が上がったことが、沖合化の背景にあると考えられています。
- 沖合は餌が少ない:産卵場や稚魚が育つ場所も沖合に移り、餌が少ないために成長が遅れ、成熟にも悪い影響が出ているとされます。
- ほかの魚が増えた:日本の近くではマイワシやサバ類が増えており、サンマが近くを回遊しにくくなっている可能性も指摘されています。
漁場が日本から遠い公海に移ると、燃料代がかさみ、獲ってから港に戻るまでの時間も長くなります。公海では外国の漁船もサンマを獲っており、北太平洋漁業委員会(NPFC)で国際的な漁獲量の上限が決められています。
値段はどう変わったか
主要漁港での1kgあたりの卸売価格(水揚量で重み付けした平均)は、2003〜2009年には60〜110円ほどでした。それが2021年には621円/kgと大きく上がり、2024年も463円/kgです。獲れる量が減り、値段が何倍にもなったことがわかります。
サンマの1kgあたりの平均卸売価格(主要漁港) 2006〜2009年は縮小調査のため除外
2025年の予報と実際
2025年の公式予報は「来遊量は昨年並みの低水準」でしたが、全国の漁獲量は前年を大きく上回りました。予報と実際の比較は予報の答え合わせにまとめています。今年(2026年)の予報は「来遊量は昨年の水準を下回る」です。
出典